落語「黄金餅」を歩く
先週の土曜日(23日)、地図サークル「地図を歩く会」の例会で麻布界隈を歩いた。今回のテーマは落語「黄金餅」を歩くってなわけで、乙でゲス。
上野山崎町の裏長屋に住む托鉢坊主の西念。病気になっても薬代がもったいなくて医者にも行かない。やがて必死に貯めた金を全てあんころ餅にくるんで飲み込んだまま死ぬ。それを見ていた隣に住む金山寺味噌売りの金兵衛、その金をひとり占めしようと自分で葬式を出し、焼き場で金だけ拾ってトンズラ。その金を元手に目黒で餅屋を開き、黄金餅という名で大繁盛しましたという噺。
死んでも金を渡したくなくて金を包んだあんころ餅を目いっぱい食べて死ぬヤツもすごいけど、その金をネコババしようとするヤツもすごい。人情噺のような後味のいい噺ではないが、欲に目がくらんだ登場人物のシュールな掛け合いが笑わせる。志ん生が得意としていたらしい。さすがに志ん生では生で聞いたことないが、息子の志ん朝は寄席で聞いたことがある。
この噺の聞きどころのひとつに、西念の遺体を運ぶ長屋のある上野山崎町から金兵衛の菩提寺・木蓮寺のある麻布絶口釜無村までの町名を連呼する町名づくしというのがある。志ん生、言い終えた後に「ウ~みんな疲れたが私もくたびれた」とくすぐる。現在で言えば上野から秋葉原、神田、日本橋、京橋、新橋、神谷町、飯倉、麻布まで。土曜日は噺の後半、神谷町から麻布までを歩いた。
地下鉄神谷町駅を出ると目の前に東京タワーがドカーン。近くの八幡様に寄り鳥居の水準点マークを確認。地図サークルの面目躍如。薮蚊に食われて痒いこと、痒いこと。飯倉の交差点を右折。ロシア大使館の警備のおまわりさんの横にも水準点が。な、なんですか?とおまわりさん。先に進むとジャッキー吉川の店「ブルーシャトウ」。♪森トンカツ、泉ニンニク、かーコンニャク、静かニンジン♪ 知らねーだろうな、最近の若い人。飯倉片町の交差点を左折して麻布永坂へ下る。おっ、洋食の名店「グリル満点星」はここか。坂下にある更科本店で昼食のソバ。美味かった!麻布十番の商店街では有名な鯛焼き屋のオジサンがカメラを向けるとポーズをとってくれました。
商店街を抜け、佐賀鍋島家の墓所がある賢崇寺を見学。ここからは坂の連続。大黒坂、一本松坂、仙台坂、そして菩提寺木蓮寺のある絶口坂(今は絶江坂)。この他にも七面坂、暗闇坂、薬園坂などなど「ウ~みんな疲れたが私もくたびれた」。
ところで落語にでてくる木蓮寺はない。そこで絶江坂の近くの曹渓寺をゴールとした。江戸、明治、現代の地図を持って歩くとその違いに驚いたり、逆に昔の道がそのまま残っている所を発見したりと楽しい。いやー久しぶりの完全休日で散歩も久しぶり。少し疲れたが天気も良く充実した1日でした。





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