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2008.03.24

薩摩 坊ノ浦 双剣石

 前回の記事「坊津町」の③と④の写真の双剣石は歌川(安藤)広重も描いていると書いた。あの東海道五十三次で有名な広重である。地元では周知な話なのだが、ちょっと心配になり調べてみた。調べると確かに広重が描いている。六十余州名所図会の中の一つ「薩摩 坊ノ浦 双剣石」である。六十余州名所図会とは広重が北は出羽の月山から南は薩摩の双剣石までの全国の名所69枚を描いたもの。そうなると俄然、六十余州名所図会が欲しくなる。アマゾンで検索するとありました。ドヒャー、お値段315,000円! トーゼン買えません。さらに調べると12,600円というのもありました。まだ勇気がいります。さらに検索。ありました。2,520円。人文社刊「広重の諸国六十余州旅景色」というご本。六十余州の69枚の絵全てを網羅し、さらに各絵の解説付き。早速、新宿紀伊国屋書店で購入。いいですねえ。旅ごころをくすぐります。コチョコチョ。ちなみに広重は現地に行って描いたのではなく、淵上旭江という人が23年をかけて全国を回って描いた「山水奇観」などを参考に描いたらしい。まあ当時(1856年頃)の交通事情を考えると当たり前田のナントヤラですね。

「広重の諸国六十余州旅景色」の[薩摩 坊ノ浦 双剣石]より
Soukenseki

 実際の双剣石は広重の絵のようにはスマートではありません。当時の風景画らしく相当デフォルメされています。また広重の絵のように双剣石のてっぺんに松の木があって風情があったのですが、かなり前に松食い虫の被害にあって現在はありません。なんとかならなかったのですかねえ。ところでネットで検索しているうちに、印象派の巨匠クロード・モネが六十余州名所図会の「薩摩 坊ノ浦 双剣石」を所持していたという記事を見つけた。馬淵明子・日本女子大学教授の「モネのジャポニスム ― 自然と装飾(1887~1926)」という講演である。その中にモネの絵と広重の「薩摩 坊ノ浦 双剣石」を比較している部分がある。(講演内容はこちら) 先日NHKでモネの特集をやっていて見たばかり。それによるとモネは日本に憬れていて自分の庭に日本庭園を作ったり、食堂に多くの浮世絵を飾っていたとのこと。その1枚が「薩摩 坊ノ浦 双剣石」だったかもしれないと考えると嬉しくなります。坊津も鑑真和尚にジェームズ・ボンド、さらにモネが加わりモア・インターナショナルです。

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Comments

ちょうどボストン美術館の「名品展」の浮世絵のカタログを見終わったとこだった。当美術館にはスポールディングコレクションって言って、(遺言によって)展示もできない優れたコレクションがある。たまたまそれを見る機会を得たんだけど、そりゃ〜〜すごかったよ。その色、技術、構図。。。
それにしても景色をここまでディフォルメできるなんてすごいよね。溜め息〜〜

Posted by: 凛々 | 2008.03.27 at 11:37 AM

うらやましい。広重とか北斎とかすごいよね。西洋的な遠近法を取り入れながらも、大胆な構図とデフォルメで風景を切り取っている。
六十余州名所図会を見ていたら東海道五十三次とか富嶽三十六景とか欲しくなります。

Posted by: same | 2008.03.29 at 12:26 AM

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