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2005.07.06

旅人くん

 今日の朝刊に漫画家の永嶋慎二さんの訃報が載っていた。6月10日に亡くなっていたようだ。67歳。
 数日前に東京の神田神保町の古本屋街で永嶋さんの「漫画家残酷物語」や「漫画のおべんとう箱」などを購入したばかりだった。小さな頃の夢は無謀にも「マンガ家になりたい!」だった。高校時代には4コママンガを描いては友達に無理やり見せていた。しかもGoodな感想を迫るので、友達にはトンダ災難だったはずだ。その頃街にはまだ貸本屋さんがあって、私もおばあさんが一人で店番をしている貸本屋さんに通っていた。「漫画家残酷物語」もその貸本屋さんから借りて読んだのだろう。

 当時好きだった漫画家が永嶋さんと真崎守(まさき・もり)さん。お二人とも叙情的で、今読むと青臭くて面映いところもあるのだが、それでも大好きなのだ。tabibito永嶋さんは上記の「漫画家残酷物語」「フーテン」、真崎さんは「キバの紋章」あたりが代表作なんだろう。しかし私が好きだったのは永嶋さんは「旅人くん」、真崎さんは「ジロがゆく」。「ジロがゆく」は転校が多くて友達ができない内向的な少年が、長野?の山村に転校してきて次第に成長していくお話だった。「旅人くん」はその頃の一番のお気に入りで、ノートや教科書などの名前を書く欄には名前の代わりに「旅人くん」を描いていた。内容は少年(というよりは子供に見えた)が、木の枝の先っぽに風呂敷包みを結わえて、フラフラと旅をしていくという4コママンガの連作だった。主人公は誰で、何で旅をしているのかも分からないし、筋らしい筋もない。子供のくせにというのは子供に失礼だが、落葉にタメイキをつき、水溜りに映った自分に「君は誰?」と自問したり、突然読者に「君は幸せか?」と質問したり、結構哲学的だったんです、コイツ。

 永嶋さんも「旅人くん」のようにふわりふわりと旅を続けるのかも。合掌。

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