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2004.11.30

ハケの道

先週の土曜日(27日)、地図サークルのM.A.Pの会(まっぷのかい)の月1の例会でJR南武線の谷保駅から西国立駅まで歩いてきました。
このあたりは長い年月をかけて多摩川が浸食を繰り返し、北側から南側へ数段に分けてなだらかに傾斜する段丘と呼ばれる地形をつくりました。そして各段丘の端を段丘崖線といい、一般的にはハケと呼びます。ハケからはいたる所で水が湧き出し、湧水池や小川(国立付近の矢川、小金井付近の野川が有名)をつくり、生活や農業用水として利用され人々の生活を潤しました。今回歩いた場所は一番南側(多摩川寄り)の青柳段丘(青柳崖線)とその北側の立川段丘(立川崖線)が交差する辺りで、水辺の自然が豊かに残る地域です。ハケはこの辺りから東側は武蔵野段丘(国分寺崖線)の小金井・三鷹のあたりまで見られ、「ハケの道」としてよくハイキングの本などに紹介されています。
hake.jpg
この日はとても気持ちのいい晴天で、10時半に最初の目的地の谷保天神に向けて谷保駅を出発しました。谷保天神は駅から南へ5分ほど歩いた交通量の多い国道20号線(甲州街道)沿いにありました。ここは都内では湯島や亀戸に並ぶ天神様で「野暮天」の語源になったことでも有名です。
20号線に面した鳥居をくぐり、少し傾斜した参道を進むと階段がありました。階段からは黄色く色づいた銀杏の葉の間から富士山が見えていました。ちょうどこの階段の場所が立川段丘の段丘崖面にあたり、本殿は階段を下ったハケ下にあるという珍しい天神様です。現在ハケ上を通る甲州街道は江戸時代以前はハケ下を通り、谷保天神を南側へ迂回していたようです。しかし江戸初期に甲州街道を真直ぐにするため、街道をハケ上に持っていって、参道が上で本殿が下にあるという珍しいかたちになったようです。
谷保天神の隣にはハケ下によく見られる湧水池がありました。常盤の清水(由来からすると常磐のような気がするが案内板にはこう書かれていた)と呼ばれています。規模はとても小さいのですが、富士の湧水で有名な柿田川や忍野八海を思わせる清らかな水がこんこんと湧いていました。
<左:谷保天神、すぐ右が立川段丘崖線 右:常盤の清水>
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谷保天神を後に、住宅と田んぼが混在し、傍らを小川が流れるのどかな小径を城山公園(じょうやまこうえん)へと向かいました。城山公園は中世豪族の三田氏の居城があったことからこう呼ばれているそうです。公園はコナラなどの雑木林と竹林の鬱蒼とした森でした。しかしかなりの部分が個人の所有だそうです。公園の南側がハケになっていて、ハケ下には移築された江戸後期の古民家(旧柳沢家住宅)がありました。古民家の庭では月1回の催物の日だったようで餅つきをやっていました。係の女性に訊ねたところ、500円で餅つきを体験でき、搗き立てのお餅とケンチン汁などを頂けるとのことでした。お餅がおいしそうでしたが、お弁当を用意していたため、古民家の裏手の湧水池に木製のテラスを張出した小公園で昼食にしました。黄葉を通した柔らかな日差しの中で昼食をとりながら、水辺に集まる鳥(ゴイサギやキセキレイなど)の名前を鳥に詳しいメンバーに教えて貰いました。
<左:ハケ下の小川の道からの富士山 右:富士山の拡大写真>
hake3.jpg

昼食後は青柳崖線に沿った「ハケ下の径」の木道をゆっくり歩き、「ハケ上の径」と合流する先にあるくにたち郷土文化館に向かいました。ハケ上にあるくにたち郷土文化館はガラス張りの明るい建物で、近辺で発掘された遺跡と昔の民具などが展示してありました。入口の前の道からはハケ下の府中用水と中央高速が見えていました。
この後、すぐ北側の南養寺の門前にあった水準点を観察し、矢川いこいの広場へ向かいました。再び国道20号線を渡り直ぐに右折すると再び矢川が現れます。川の片側は住宅になっていて、ほとんどの家が川に面して階段状の洗い場を設けていました。こんなきれいな水が生活の一部としてある暮らしをうらやましく思いました。両側にベンチが置いてあり、夏は子供の水遊びの歓声で賑わいそうな矢川いこいの広場で一休みし、最後の目的地の矢川緑地保全地域に向かいました。矢川緑地保全地域は広い湿地でその中を木道で渡ります。傾いてきた太陽の光に湿地の水がキラキラ光ってきれいでした。木道を渡り終えると西国立駅へ通じる大きな道路の壁に突き当たり、ここで今日の楽しかった散策も終わりです。また矢川もこの先で暗渠(あんきょう)となって地下を流れます。
<矢川の流れ>
hake4.jpg

今日は絶好のハイク日和で、時折見える富士山と歩いたほとんどの道の傍らを流れていた清らかな水に大満足した一日でした。

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Comments

面白かった.
ずっと続けてください。
勉強になります。

Posted by: Kenji Shimoyasu | 2004.12.02 at 10:16 PM

ハケの語源はどこにあるんだろう?

お日様の日差しがやわらかくて気持ち良さそうな一日だったんですね。写真がとてもきれいでした。

Posted by: 凛々 | 2004.12.04 at 12:17 PM

凛々さん、コメントありがとうございます。
ハケの語源は分かりませんが、現地では「ママ」という言い方もあるようです。ハケに詳しい方を知っていますので、会うことがあったら聞いておきます。
ハケ自体は大岡昇平の「武蔵野夫人」という小説で紹介されて有名になったようですね。

Posted by: same | 2004.12.05 at 10:34 AM

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